【激レアさん】に山村紅葉さん登場。ミステリー女王の母・山村美紗にトリックの実験台にされた少女時代!

2019年10月5日放送「激レアさんを連れてきた。」では、 『日常生活を全てミステリードラマのトリックの実験台にされて育った人』 ということで、 山村紅葉さんが登場しました。

山村美紗&紅葉母娘の「激レア」なミステリー漬け人生

ミステリー界の女王・山村美紗さんは、1934年京都生まれ。
小学校の国語教師を経て、結婚後の1967年ごろから小説を書き始め、1970年に「京城の死」で江戸川乱歩賞の候補になり、1974年で「マラッカに消えた」でメジャーデビュー。以降1996年に亡くなるまでミステリー小説を書き続けました。
生み出した作品は450本以上。トリックはすべて自分で考案。斬新で天才的なアイデアで「トリックの女王」と呼ばれました。

娘の山村紅葉さんは、1960年京都生まれ。
早稲田大学政経学部在学中に、母(美紗先生)の原作のドラマ出演を勧められ、学生時代の記念に出てみます。が、国家試験に合格して卒業後は大阪国税局の国税調査官(いわゆるマルサ)となって働きます。
1987年の結婚を機に本格的に女優業開始。母(美紗先生)の作品を中心に500本以上の作品に出演し、「2時間ドラマの裏女王」の異名を取ります。
今や旅番組やバラエティにもたくさん出演する売れっ子タレントに。 こんな母娘の生活は一体どんなものだったのでしょう?

美紗さんにとって、家庭はトリックを生み出す場。なので、娘の紅葉さんの日常生活は、常にミステリートリックの実験台と化していたんだそうです。 何と特殊な世界!その例を挙げていきましょう。

謎過ぎる大量の家電事件

山村家にはテレビが10台、冷蔵庫10台、FAX10台。 何故そんなにあるかというと、新しい家電が出ると全メーカーを買うから。 何故そんなに買うかというと、ミステリーのトリックに使えるから。
トリックは、誰かが先に書いていたら盗作になってしまうので、誰よりも先に思いつかなければなりません。そのためには、次から次へと新しく生み出されてくる家電を使ったトリックを思いつけば、誰よりも先に新しいトリックの特許が獲れる、と美紗先生は考えたのだそうです。
その結果、月々の電気代が20万円!しかし美紗先生、トリックが当たれば元が取れる、と意に介していなかったとのこと。

玄関から自室まで暗証番号だらけ

山村家には、暗証番号付きの扉が4つあったそうです。しかしその暗証番号は、母(美紗先生)だけが知っていて、他の家人は知らされていません。 そのため紅葉さんは、自分の部屋に辿り着くまでに、2つの暗号を解読しなければなりませんでした。
なぜ「暗号」?そうです。美紗先生は、暗証番号を教える代わりに「暗号」を伝達するのです。
「今から帰るから暗証番号教えて」と電話すると、「電話は盗聴されてるかもしれないから暗号で伝えるわ」と美紗先生。 その暗号とは、A、B、C、Dの4つのアルファベットの中から一つ選び、そのあと4桁の数字を入力する、というもの。簡単そうですけど、これって計算すると4万通りあるんですよ!
そこで美紗先生、ヒントをくれます。
①「パンが高くてケーキを食べるしかないわね」
②「最近革命が起こってるらしいわ」この二つのヒントから紅葉さんは推理します。
①は、18世紀のフランス女王・マリーアントワネットが言った有名な言葉。だからアルファベットはアントワネットのAだ!
②は、その当時フランスで革命が起きた、フランス革命は1789年。
だから暗号は「Aの1789」! ということで、紅葉さん、見事一つ目の扉を突破!

しかし安心はできません。暗号はある日突然変えられてしまうのです。だから常に世界史年表を持ち歩き、時にはタクシーを飛ばして図書館に行ったり専門書を買いに行くなんてこともしばしば。どうしても暗号が解けなくて、あきらめて階段のところで寝たこともあるとか。 なんて過酷な日々でしょう。

全てを把握する千里眼事件

小学生の時男の子が家に遊びに来て、紅葉さんにキスをしようとしました。
その瞬間、「20年早いわ!」と母(美紗先生)がお部屋に乱入。
なんと服に盗聴器がつけられていたんです!それも美紗先生の自作!電気製品好きだから作れちゃったんですね。
後から考えると、紅葉さんの服は常に美紗先生の手作りで、やたらポケットが多い服や、ポシェットが付いている服が多かった。 つまり、最初から盗聴器を仕込むことが計画がされていたわけなんです。

だから外でブランコから落ちたり滑り台から落ちたりすると、母がすぐ飛んでくる。当時、いたいけな少女・紅葉は、「ママはスーパーマンだと思ってた」そうです。盗聴器を付けられているとも知らずに。

誘拐されても大丈夫事件

「もし娘が誘拐されたら!」と考えた美紗先生は、なんと、犯人の情報を伝える暗号トリックを3歳の娘に伝授していたというのです。
美紗先生は、ドラマでも必ず出てくる犯人と親との電話でのやり取り「娘の声を聞かせてください!」という場面を想定しました。 その時、紅葉さんが「ママー」と言ったら犯人は顔見知りの人。「お母さま」と言ったら知らない人。
その他、”し”という言葉を”she(彼女)”として、紅葉さんが電話中に「知ってる」という言葉を言ったら”し”が一つで”女が一人”、「心配(しんぱい)しないで」なら”し”が二つで”女が二人”、「全然」と言ったら”them(彼ら)”で”複数犯”…
など、細かく分類した言い方を決め、短い会話の中で拉致されている場所と犯人の特徴を伝える方法を教え込まれたそうです。

逆襲!もみじ転送トリック事件

オトナになってこの生活は普通じゃないと気付いた紅葉さん、ついにトリックの女王に戦いを挑みます!

大学は東京で一人暮らし。しかし門限は20時で、その時間に必ず自分の部屋から母に電話をする、という制約をつけられました。そこでトリックで門限破りを決行します。
ある日友達の家で、門限の20時を過ぎてもお酒を飲んでいた紅葉さん。 母(美紗先生)は、20時過ぎても電話が無いので紅葉さんの部屋に電話を掛けました。しかし紅葉さんは、電話の転送機能を使って自分の部屋にいるかのように応答しました。
ところが、「あなた電話の転送トリック使ったわね」!いとも簡単に見破られてしまいます。なんでわかったの?と尋ねると、「応答までのわずかなタイムラグ、今そのトリックを書いているのよ」とのこと。
その上、「今高田馬場の近くにいるでしょ。あなたの部屋から聞こえる電車の音が違うのよ」 さすが名推理!ミステリーの女王恐るべし!
紅葉さん、慌てて家に帰って謝りの電話をかけたところ、 「新しい転送トリック考えたらまずママに教えなさい。なんか買ってあげるから」という返答だったそうです。 良いんだか悪いんだかですねー。

「激レア」なミステリー漬けの日常生活の結果は?

日常全てがネタ探しというか、トリック探し。
「よく反抗しなかったですね」との若林さんの問いに、 「いえ、解けた時の嬉しさは何事にも代えがたいものだったので」という紅葉さん。 母(美紗先生)との暗号とトリック漬けの生活の結果、優れた推理力が育まれたそうです。
税務調査官として働いていた時も、脱税のウソを見破るのにその推理力がとても役に立ったとのこと。さぞかし優秀な(見方を変えれば恐ろしい)”マルサの女”だったんでしょうねー。

その後、母(美紗先生)の原作を足掛かりに、女優としても大活躍する紅葉さん。 「ミステリー界の女王」の娘は、「2時間ドラマの裏女王」となりました。 母娘で女王なんてすごいですね!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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