ワトソンが女性?「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」ストーリー&キャスト紹介・ホームズ役のジョニー・リー・ミラーってどんな俳優?

「シャーロック・ホームズ」と言えば、誰もが知ってる世紀の名探偵ですね。その原作を元に多くの映画やドラマが作られていますが、異色かつ秀作のドラマが誕生しました。それがアメリカ製ドラマ「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」(原題「ELEMENTARY」)です。

「シャーロック・ホームズ」原作とドラマ化の歴史

19世紀後半、イギリスで「ストランド・マガジン」に連載されたコナン・ドイル作の「シャーロック・ホームズ」シリーズは、推理小説の一つの頂点とも言われ、今日に至るまで世界中で読み継がれ「聖書に次ぐベストセラー」と評されています。

シャーロック・ホームズは、豊富な知識、天才的な観察眼と推理力を持つ私立探偵。ロンドンのベイカー街221Bにあるアパートをひょんなことからルームシェアすることになってしまった、ジョン・H・ワトソン医師を相棒に、数々の難事件を解決していきます。 この二人の冒険譚が「シャーロック・ホームズ」シリーズです。

これを原作として、19世紀の発表当時から世界中でたくさんの映画や舞台が作られました。
20世紀、世界的に有名になったのは、イギリスのグラナダテレビでジェレミー・ブレットがホームズを演じた「シャーロック・ホームズ」シリーズ(1984年-1994年)ですが、これは原作を忠実に19世紀を舞台にしたドラマとして映像化されたものです。

近年では、イギリスのBBCが舞台を現代に置き換えて、ベネディクト・カンバーバッチ主演で「SHERLOCK」(シャーロック)(2010年~)が制作されました。オリジナルストーリーとスリリングでスピーディな展開で見事な現代版に仕上げられた傑作です。名優カンバーバッチの作り出した見事な変人ホームズと、こちらも名優、ワトソン役のマーテイン・フリーマンとのやり取りも見所の一つです。

日本でも、フジテレビの月9で「シャーロック」(2019年)が放送されましたね。こちらも原作のホームズとワトソンを模したコンビを、ディーン・フジオカさんと岩田剛典さんが演じて話題になりました。

このように、ホームズとワトソンの一風変わった友情は、原作、ドラマ共に大きな魅力であることは間違いありません。

そこに大きなチャレンジを試みたのがアメリカ版ホームズ「エレメンタリー~」なんです。

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」とはどんなドラマ?

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」(エレメンタリー ホームズ アンド ワトソン イン ニューヨーク)は、アメリカのCBSで2012年9月27日から2019年8月15日まで放送されました。2020年のシーズン7で終了予定です。

舞台をイギリスのロンドンから現代のアメリカに置き換えています。
原題の「ELEMENTARY」は、シャーロック・ホームズを初めて舞台で演じた俳優であるウィリアム・ジレットの名台詞、「Elementary, my dear Watson. (初歩的なことだよ、ワトソン君)」から付けられているそうです。「シャーロック」も「ホームズ」も使わず、粋なタイトルを付けますよね。

ホームズを演じるのは、イギリスの俳優ジョニー・リー・ミラー。映画「トレインスポッティング」で注目を集め、現在舞台、映画、テレビで大活躍中の名優です。

原作のホームズは、知的で冷静沈着。行動力に富み、いざ現場に行けば地面を這ってでも事件の痕跡を探す活動家。化学実験を趣味とし、特技はヴァイオリンとボクシング。どちらもプロ級の腕前で、拳銃射撃も弾痕でアルファベットを描けるほどの腕前。
事件がなく退屈すると、コカインやモルヒネを使い(当時は合法でした)ワトソンが何年もかけて止めさせました。後年になると生活態度を改め、自然を愛し、養蜂を趣味にします。

本作ではこれらのモチーフを随所にちりばめ、現代風にアレンジしています。ジョニーもそんなホームズ像を見事に取り入れたキャラクター作りをしています。

そして、相棒のワトソン医師を演じるのは、なんと映画「チャーリーズ・エンジェル」のルーシー・リュー。
ワトソンを女性にしてしまったのです。
これは大冒険ですね。果たしてそれがうまくいくのでしょうか?

私自身、また奇をてらったキャスティングだなあ、話題性狙いか?安っぽいことをするなあ…と否定的でした。それでずっと見ないでおいたんですが、ホームズ好きとしてはやはり食わず嫌いは良くないと思い直して、今頃になって見てみたんですね。すると…

よくできているんですよこれが。
キャラクター設定もストーリーも原作の要素をうまくつかって全く違うものにしています。ルーシー・リュウも、彼女自身が才媛なので、その聡明さが役柄とはまって見事にルーシー・リュウ版ワトソンになっています。この女優さん、もともとそんなに好きじゃなかったんですが、今回彼女が実に素晴らしい演技者であることがわかり、すっかり見直しました。

では一体どんなお話なのか?見てみましょう。

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」ストーリー概要(ネタばれなし)

シャーロック・ホームズは、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)の顧問をしていたが、薬物依存症になってしまい、そのリハビリのためニューヨークのリハビリ施設に入っていた、という前提です。
なるほど。ホームズをアメリカ人にするのではなく、イギリス人という設定のままそうやってロンドンから舞台をニューヨークに移したわけですね。
出所後、スコットランドヤード時代のつてでニューヨーク市警の顧問に就任できましたが、ある日、一人の女性がホームズを訪ねてきます。物語はここから始まります。
それがジョーン・ワトソン。元外科医で、薬物依存からの離脱者の付添人として派遣されてきたのです。
それが父親からの依頼だというので気に入らないホームズですが、6週間の契約を反故には出来ないということで、仕方なく共同生活をを始める二人。古いけれど広いアパートメントで、部屋はいくらでもあるから男女の共同生活は可能、という設定です。
ワトソンは付添人なので、ホームズのニューヨーク市警顧問の仕事(つまり事件捜査ですね)について回らざるを得ません。
ホームズはその鋭い観察眼と天才的な推理力で捜査をしていきますが、ワトソンの医学的知識や聡明な頭脳から発するなにげない助言が、事件解決の糸口になることもあり、2人の間には次第に協力関係ができあがっていきます。こうして出来上がった探偵コンビは、数々の難事件を解決していくことになる…というストーリーです。

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」作品解説

基本的には一話完結。

事件の形態や犯人の動機に工夫が凝らされ、どの話も見ごたえがあります。原作のモチーフを使ったもの(「バスカヴィル毛の犬」「赤髪同盟」など)もあり、原作ファンの人も「こう使ったか」と思わずニヤリとしてしまうシーンもあるでしょう。
他にも、前の事件に登場した人物がその後の事件に関係してくるなど、いろいろな形で後の展開につながっていくこともあり、事件のヴァリエーションを幅広いものにしています。
ストーリーも先が読めない展開でテンポが良い。それに追いつくべく、テンポ良くどんどん捜査が進んでいきます。

テンポが良い理由の一つには、ホームズたちがニューヨーク市警の顧問という立場なので、市警の刑事との連携で捜査を進めていける、ということがあります。つまり警察が味方なので、探偵モノでよくある、探偵の捜査が警察によって無意味に妨害されるというストレスがないんですね。

さらに、警察ではない、という立ち位置を利用して、ピッキングをして空き巣に入ったり、「everyone」と呼ばれる謎のハッカー集団を利用したりして不正に証拠品を入手してしまうことも、ストーリーのテンポを上げている要因の一つでしょう。
ホームズは掏摸(スリ)も得意で、事件解決のためなら違法なことも全く厭いません。はっきり言ってそれは犯罪だろう、ということも平気でやります。それが嫌味なく嘘臭くなく見れるのは、展開や芝居など、作りのうまさのおかげですね。

でも、縦に流れるストーリーラインは、意外なことに ”ホームズが薬物依存からいかに立ち直るか”  なんです。
原作でもホームズは、事件が無いとコカインやモルヒネに手を出して退屈を紛らわせるという薬物愛好者でした。
ところが、本作「エレメンタリー~」のホームズは、薬物愛好者どころか中毒患者だった過去を持つひどいジャンキー。その自宅治療のためワトソンと共同生活をすることになるので、きっかけとしてはわかります。でもこのネタはコンビの出会いのきっかけにとどまらず、重要なモチーフとして後半のシーズンまで引っ張られます。
思いがけず事件捜査に付き合うことになったワトソンが、探偵としての才能に目覚め、ホームズにとってなくてはならない”相棒”になっていく過程も同時に描かれますが、このワトソンが人間的にも非常に優れた人で、ホームズにとって、探偵としてのパートナーというだけではなく、精神的にもなくてはならない人になっていきます。
このドラマは、自尊心の塊で他人を顧みない我儘放題の変人・ホームズが、ワトソンとの共同生活を通して、人としてマトモになっていく成長譚でもあるんです。

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」主な登場人物

シャーロック・ホームズ (Sherlock Holmes)
演:ジョニー・リー・ミラー

イギリス人。裕福な家に生まれ、幼い頃母親を亡くした後は全寮制の学校で育ったようです。趣味は犯罪捜査。職業は私立探偵。並外れた観察眼と推理力、超人的な記憶力を持ち、ロンドンではスコットランドヤード(ロンドン警視庁)を手伝う顧問探偵をしていました。
薬物依存症になったため父親によってアメリカのリハビリ施設に送られますが、そこを出た後は、ニューヨーク市警のグレッグソン警部とはスコットランドヤード時代の知り合いだった縁で市警で顧問探偵をすることになります。
難解な事件の解決が興味の全て。持ち得る知識、新たな実験、事件の再現など、ありとあらゆる手法を用いて事件を解決へと導きます。
不法侵入やスリ、ハッキングなど、違法行為も全く意に介しません。そのため相棒のワトソンやニューヨーク市警のやグレッグソン警部、ベル刑事たちに迷惑をかけることもしばしば。
大変な自信家で、他人への配慮などというものは一切しないため、不遜で尊大な態度をとって周囲を不快にさせます。が、トラブルから何度も救ってくれたグレッグソン警部やベル刑事は仲間として認めており、話が進んでいくにつれて、ワトソンに対しても多少は尊重するようになっていきます。
探偵という仕事に対しては謙虚かつ真剣で、捜査依頼がない時は、棒術の訓練で体を鍛えたり、過去の未解決事件を盛り出して事件現場を再現して研究したり、あらゆる種類の手錠や錠前を用意していて、それらを使ってピッキングの鍛錬をしています。

ジョーン・ワトソン (Dr. Joan Watson)
演:ルーシー・リュー

中国系アメリカ人。中国名は雲静宜。 趣味はジョギング。かつては超一流の外科医。ある手術に失敗し患者を死なせたことで自分から勤務医をやめました。現在は薬物依存者の回復をサポートする「付添人」という仕事をしています。
ホームズの父親に雇われて、付添人としてホームズと行動を共にする事になりますが、父親のスパイだろうと勘ぐるホームズには嫌がられ、ケンカが絶えません。が、次第に信頼関係を築き、友情関係になっていきます。
頭脳明晰で正義感が強いため、ホームズに同行して仕方なく捜査に参加するうちに、犯罪捜査への興味と素質を見せるようになります。
薬物依存付添人としての契約が切れた後も、ホームズを心配して付添人を無償で続けていましたが、後にそのことを知ったホームズからの提案を受けて、正式にホームズの助手となり、探偵の訓練を受け、後にパートナーとなります。

トーマス・グレッグソン (Thomas Gregson)
演:エイダン・クイン

ニューヨーク市警・殺人課の警部。悪を憎み不正を許さず、犯罪者は徹底的に追求する強い正義感の持ち主。何度も表彰された経験のある優秀な捜査官。人望が厚くチームリーダーとしても優れているため、何度も出世の機会があったにも関らず、現場を愛するあまり断り続けています。
スコットランドヤード(ロンドン警視庁)のテロ対策班に出向していた際、ホームズと出会ったようです。
ホームズの突飛な捜査や言動に振り回されますが、その才能には一目置いているため、ホームズがトラブルを起こした際は彼を庇いフォローします。本当にいい人です。

マーカス・ベル (Marcus Bell)
演:ジョン・マイケル・ヒル

グレッグソン警部の部下であるニューヨーク市警刑事。真面目で几帳面、熱血漢の刑事です。 最初は独善的なホームズに反抗的ですが、次第に彼の能力を認めるようになります。彼もグレッグソン警部同様正義の人。

この警察サイドの二人は、とても優秀でいい人たちです。
ホームズも二人の良さを分かっていて、ひねくれ者なのでなかなか表現できませんが二人にはとても感謝し、信頼を寄せています。
事件モノドラマで制作サイドがよく使う手として、”主人公を立たせるため警察をバカに描く”という方法がありますが、このドラマはそんな陳腐な手は使いません。だから無駄な展開も無くテンポアップするし、彼らの信頼関係が見ていて心地よく、大人のドラマとしてとてもハイレベルになっているのです。

アイリーン・アドラー (Irene Adler)
演:ナタリー・ドーマー

ホームズの元恋人。原作でもホームズが唯一恋をした女性として登場しますが、本作ではとんでもなく意外な形で登場します。このアレンジメントはすごいですよ。もったいないので解説しませんから、是非ご覧になって見てください。

マイクロフト・ホームズ (Mycroft Holmes)
演:リス・エヴァンス

ホームズの兄。原作では弟より優れた頭脳を持ち政府の顧問を務める高級官僚でした。
が、本作では世界各地でレストランを経営する実業家として登場します。兄弟とても仲が悪いようですが、それは過去のある出来事のせいだけではなく、幼少時からの確執のようです。
ところが、物語が進むうちにこの人もとんでもない展開に…

モーランド・ホームズ (Morland Holmes)
演:ジョン・ノーブル

今作で、もう一つ特筆すべきはホームズの”父親”の存在です。
家族に関しては、原作には、兄以外のことは出てきません。でも本作では、ホームズが薬物依存で、その治療のために施設に入れたりワトソンを雇ったりしなければなりませんし、ホームズ自身には収入がないため、金銭面では全て父親に頼らざるをえません。従って、モーランドは影の存在として登場します。
モーランドは、ホームズの住まいの他にもいくつか不動産を所有していますが、ニューヨークやロンドンに止まらず世界中に所有しているようで、かなりの資産家です。ホームズによると、世界中でありとあらゆるビジネスを展開する実業家のようです。でも、ホームズはそんな父親を毛嫌いしています。ホームズによると、モーランドは闇社会とも平気で関わる金の亡者だそうで、モーランドはモーランドで、金銭面以外には全くホームズに関わろうとしません。かなり確執がありそうな父子ですが、こちらも、物語が進むにつれて意外な展開を見せていきます。

ホームズ役・ジョニー・リー・ミラーってどんな俳優?

ジョニー・リー・ミラー( Jonny Lee Miller)プロフィール

生年月日:1972年11月15日(47歳 2020年1月現在
出身地:キングストン・アポン・テムズ(イギリス・ロンドン南西部のサリー州)
最終学歴:ティフィン・スクール(Teffin school)
配偶者:アンジェリーナ・ジョリー(1996~ 2000)
ミケーレ・ヒックス(2008~)

父親のアラン・ミラーは50~60年代に活躍した舞台俳優、母親のアンナ・リーも元俳優で劇場関係者。祖父は「007」シリーズのM役で出演していたバーナード・リー(Bernard Lee、1908年1月10日 – 1981年1月16日)

という俳優一家に生まれます。お祖父さん、確かに面影がありますね。

ジョニー自身も10歳ごろから子役として「ドクター・フー」などのTVシリーズに出演していました。
その後、ティフィン・スクールという中高一貫校のグラマー・スクールに進みます。ここは、公立で授業料が無料なのにレベルの高い教育が受けられる超難関校。学力試験だけで合格が決まるというから相当頭が良いんですね。音楽や演劇などの芸術教育にも熱心な学校で、ジョニーはバンドで音楽活動やパフォーマンスをしたりしていたそうです。

ジョニーはさらに本格的に演技の勉強をしようと、ナショナル・ユース・ミュージック・シアター(National Youth Music Theatre:11歳~22歳までの若手俳優育成に特化した劇団)に入り、舞台芸術を学びます。ここで後に友人になる、俳優のジュード・ロウと出会っています。この劇団は他にも、イドリス・エルバ(「刑事ジョン・ルーサー」(2010-2018)の主演俳優。2012年のゴールデン・グローブ賞で主演男優賞受賞)が出身です。この人も名優ですね。
ジョニーは17歳になると、俳優業に専念するため高校を中退して、働きながらオーディションを受け始めます。そして1995年公開の「サイバーネット(原題: Hackers)」のデイド役で映画デビュー。 この時の共演者がアンジェリーナ・ジョリーで、二人は1996年に結婚しました。残念ながら1999年に離婚してしまいますが、 2017年のインタビューでは、今でも友人として連絡を取っていることを明かしています。

1996年公開のイギリス映画「トレインスポッティング」のシック・ボーイ役で注目を集めます。この頃はふさふさ金髪のイケメン青年ですね。この映画の中で、シック・ボーイは007フリークという設定でした。お祖父さんがM役だったからそういうキャラクター設定になったんでしょうか?


1997年にジュード・ロウ、サディ・フロスト、ユアン・マクレガーらと共にナチュナル・ナイロン(Natural Nylon)という映画製作会社を設立します。すごいですね。自分たちで好きな映画を作ろうということだったのでしょう。でも残念ながらこの会社は2004年公開の「スカイキャプテン・ワールド・オブ・トゥモロー」(主演:ジュード・ロウ)の製作を最後に破産してしまいます。

2000年にはアメリカ映画「ドラキュリア」でドラキュラ役で主演、2004年「マインドハンター」、2005年「イーオン・フラッグス」と、ハリウッドでも活躍します。

2008年にはアメリカのコメディーテレビドラマ「弁護士イーライのふしぎな日常(原題:Eli Stone)」で主役のイーライを演じ、最優秀俳優賞にノミネートされています。

その後、2012年からは「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」で主演シャーロック・ホームズを演じます。当時、イギリス本国で『SHERLOCK』に出演中のベネディクト・カンバーバッチからも絶賛されたそうです。

ジョニーはマラソンランナーでもあり、ロンドンマラソンやニューヨークマラソンにも出場しています。フルマラソンを3時間で完走するそうです。かなりの実力派ですね。

「エレメンタリー〜」では、ホームズは体にたくさんのタトゥを入れていますが、あれはジョニーの体に本当に彫られているものです。 ドラマの方でそのタトゥを生かせるような脚本にしたということです。

アンジーと別れた後は2008年にその後はモデルのミケーレ・ヒックスと結婚し男の子が一人います。ジョニーは一体どんなお父さんなんでしょうね。

ワトソン役・ルーシー・リュウってどんな俳優?

ルーシー・リュウ (Lucy Liu)プロフィール


中国名:劉玉玲
生年月日:1968年12月2日(51歳 2020年1月現在
出身地:ジャクソンハイツ(アメリカ・ニューヨーク州・クイーンズ)
身長:160cm
学歴:スタイブサント高校→ニューヨーク大学→ミシガン大学
配偶者:なし
趣味:エスクリマ(フィリピン武術の一種)、ロック・クライミング、スキー、乗馬、アコーディオン他多数
特技:絵を描くこと

父は上海出身の土木技師で、母は北京出身の生物学者。ともに台湾からの移民だそうです。ルーシーには兄と姉がいて、3人兄弟の末っ子です。

幼い頃の家庭は裕福ではなかったため、両親が様々な仕事をして家計を支えていたそうです。家での言語は中国語で、ルーシーは5歳まで英語を習っていなかったとのこと。そんなことがあるんですね。当時一家の周囲には様々な国の人がいてフィリピン武術のエスクリマもその人たちに習ったのだそうです。

ルーシーは成績優秀で、地元中学を卒業すると、ニューヨーク市立スタイブサント高校(Stuyvesant High School)に入学します。この高校は120年の歴史を持つ伝統的な公立高校で、理数科教育を重視した英才教育で知られ、全米の高校学力ランキングでは常に上位にランクインしています。入試倍率はなんと50倍の超難関校なんですって。卒業生には数多くの科学者、医師がいて、ノーベル賞受賞者も何人もいます。こんなすごい学校に入るなんて、ルーシーはどれだけ頭がいいんでしょう!
しかし、さすがのルーシーも、授業のレベルのあまりの高さに上位の成績でいられなくなり、理系から文系に進路変更してニューヨーク大学に入学します。その1年後、ルーシーはミシガン大学に編入し、英語の他にイタリア語とスペイン語、アジアの言語と文化を専攻します。今では語学堪能で、中国語、英語、イタリア語、スペイン語が流暢に話せるのはそのためですね。

その頃に演技やダンスなどに興味を持ち始めたルーシーは、1989年、ミシガン大学の学生演劇の舞台「不思議の国のアリス」の主役オーディションに合格したのをきっかけに女優の道を歩き始めます。
大学卒業後はロサンゼルスに移ってウエイトレスをしながらオーディションを受けていたようです。

1990年代初めになると、テレビシリーズにちょくちょく出られるようになります。1995年には「ER 緊急救命室」シーズン2と3ででメイ・スン役を演じ、1996年には「Xファイル」シーズン3にキム役で出演しています。 1998年の法廷コメディドラマシリーズ「アリー My Love」では意地悪なリン・ウー役を演じて評判を呼び、なんとゲスト出演からレギュラーに昇格。その演技が評価されてエミー賞の助演女優賞にノミネートされ、一躍有名になります。

それ以降は映画の出演も多くなり、「ペイバック」(1999年)や「チャーリーズ・エンジェル」(2000年)シリーズ、「キル・ビル」(2003年)といった話題作に出演し、アジア系アメリカ人女優として最前線の存在になっていきます。

ルーシーはその後、「カンフー・パンダ」シリーズや「ティンカー・ベル」シリーズといったアニメ映画で声優を務めて、活躍の幅を広げていきます。
2016年、ハーバード大学からアーティスト・オブ・ザ・イヤーとして表彰されます。

2019年には、ハリウッドの殿堂「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム」の星を獲得。”名声の歩道”にルーシーの名前が彫られた星型プレートが埋め込まれることになりました。アジア系アメリカ人の女優がハリウッドの殿堂入りを果たすのはなんと2人目。ルーシーの前は1920年代に活躍したアンナ・メイ・ウォンだけで、アンナに星が授与されたのは死後、映画界への貢献が認められてからだというから、生存中に星を獲得したのはルーシーが初めてなんです。「チャーリーズ・エンジェル」で共演したドリュー・バリモアとキャメロン・ディアスもお祝いに駆け付けました。

ワトソン役・ルーシー・リュウ結婚は?子供は?

ルーシー・リュウは結婚をしていませんが、子供がいます。2015年8月に代理母出産で生まれた男の子で、名前はロックウェルと言います。子供の父親は公表されていません。

現在も、結婚をしないで家族や友人たちに手伝ってもらいながらシングルマザーとして育児をしているようです。「エレメンタリー~」の現場にも連れて行ったようですね。ジョニーとの2ショットがSNSに投稿されていました。

ルーシーの活動は俳優だけにとどまらず、プロデューサーや監督まで広がっています。初めて監督を務めたは映画は、「Meena(原題)」(2012年)で、実際にあった性奴隷の問題を映像化した社会派の短編映画です。それ以降も、「エレメンタリー~」でも何作か監督を務めています。

また、ルーシーはアートの学校に通って、ペインティングやスクラプチャーを2年間学び、自分で描いたぺインティングや、写真等を飾ったギャラリーを開いて、その売り上げの一部をUNICEFに寄付したりする慈善活動も行っています。

ルーシーの性格は「エレメンタリ~」でルーシーが演じているワトソンに近いようです。ドラマの中のワトソンは知的で明るく、タフでとても魅力的な女性ですが、やはり本人のキャラクターがにじみ出ているんですね。

「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」その他の出演者

トーマス・グレッグソン警部を演じるエイダン・クイン(Aidan Quinn)はアメリカの俳優。1959年3月8日、イリノイ州出身。
4人きょうだいで、デクランは映画撮影監督、ポールは映画監督・脚本家、マリアンは女優だそうです。
両親共にアイルランド出身で、幼少時はアイルランドで育ちます。その後イリノイに戻って、イリノイにあるピヴェン・シアター・ワークショップ(Piven Theatre Workshop:30年以上の歴史を持つプロの劇団で、演劇を学ぶトレーニングセンターでもある)で、演劇を学びます。ここの有名な卒業生に、ジョン・キューザック、ジョアン・キューザックのきょうだいがいますね。
その後、19歳の時にシカゴで舞台に立ち、俳優としてのキャリアをスタートします。1984年に青春映画の主役で映画デビュー。以後、「マドンナのスーザンを探して」「ミッション」等映画に出演する傍ら、ブロードウェイやオフ・ブロードウェイでも活躍しています。正統派の二枚目ですね。正義の人・グレッグソン警部にはピッタリです。

マーカス・ベル 刑事を演じるジョン・マイケル・ヒル(Jon Michael Hill)はアメリカの俳優。 1985年7月28日 、イリノイ州ウォーキガン出身。
高校時代はフットボールとサックスに夢中でしたが、演技に興味を持ちノースウエスタン大学で夏の演劇プログラムに参加、その後イリノイ大学で美術を専攻します。 卒業後は短編映画に出演した後、舞台、テレビ、映画で活躍しています。

アイリーン・アドラーを演じるナタリー・ドーマー(Natalie Dormer)はイギリスの女優。1982年2月11日 、イングランド、バークシャー州レディング出身。
ウェバー・ ダグラス・アカデミー・オブ・ドラマティック・アート( Webber Douglas Academy of Dramatic Art:100年の歴史を持つイギリスの主要な演劇学校)で演劇を学び、アメリカのコメディ映画「カサノバ」(2005年)でデビュー。その後、「キャプテン・アメリカ」(2011年)、「ハンガー・ゲームFINAL」(2014年)等に出演。「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011年-2019年)ではタイレル家の長女・マージョリー役でシーズン2から出ています。
ポーカーが得意で、2008年にロンドンで開かれた世界大会で2位を獲得。またロンドン・フェンシング協会の会員でもあるそうで、本作のアイリーンのような才能豊かな女性のようですね。

マイクロフト・ホームズを演じるリス・エヴァンス(Rhys Ifans )は、イギリスの俳優。 1967年7月22日 、イギリス・ウェールズ出身。
両親共に教師。弟のリルも俳優で共演したこともあるようです。
ギルドホール音楽演劇学校(Guildhall School of Music and Drama)で演劇を学びました。ここは1880年設立で、多くの俳優・オペラ歌手・ピアニストを輩出している伝統校です。ユアン・マクレガー、オーランド・ブルーム、ダニエル・クレイグもここの出身です。
卒業後はナショナル・シアター(ロンドンにある国立劇場で、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、ロイヤル・オペラ・ハウスと共に、三大舞台芸術劇場)の舞台に立ったこともある名優です。
その後は、その怪しげな雰囲気を持つキャラクターを生かして、イギリス映画「ノッティングヒルの恋人」(1999年)で、ヒュー・グラントのへんてこな同居人を演じたり、「アメイジング・スパイダーマン」(2012年)では強敵・トカゲ男になる博士を演じたりと幅広い演技力でたくさんの映画に出演し活躍中です。

モーランド・ホームズを演じるジョン・ノーブル(John Noble)はオーストラリアの俳優、舞台演出家。1948年8月20日 、南オーストラリア州ポートピリー出身。
俳優としても舞台演出家としてもベテランで、80本以上の舞台作品を演出しているそうです。映像としては、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(2001年-2003年)の、ゴンドール国の執政・デネソール役が有名でしょう。テレビドラマでも、「FRINGE / フリンジ」(2008-2013)の宿敵・ウォルター・ビショップ役で存在感を示しています。
ホームズの父親は原作にはありませんが、彼の重厚な演技と圧倒的な存在感のおかげで、モーランドは生々しくリアルなキャラクターになっています。素晴らしい俳優です。

世界中で愛されている「シャーロック・ホームズ」の物語。
これからもいろいろな新ヴァージョンが生まれていくことでしょう。楽しみですね。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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