【マツコの知らない世界】「わさび」を研究して28年のわさび研究家・玉木幸愛さんはすごい人!

2020年11月24日放送の「マツコの知らない世界」は「わさびの世界」。
和食ブームに乗って世界中に広がり、今や大人気のわさび。最近では「解毒作用」「抗酸化作用」「血流改善」「美肌効果」など健康・美容効果にも注目が集まっています。
日本原産のこの香辛料に魅せられて、28年間研究し続けてきたわさび研究家・玉木幸愛さんが登場します。

わさびを愛し続けて28年のわさび研究家・玉木幸愛さん

玉木幸愛さん

北海道網走市にある「金印アグリビジネス研究所」の専任部長です。

玉木さんは、わさび商品メーカー「金印」に1992年入社。以来わさびの研究を続けてきました。28年わさび一筋な方です。

わさびといえば、静岡や長野の清流や畑で育てられているイメージされますよね。

あれは「本わさび」といって日本原産の固有種です。すごいですね。わさびって日本がルーツの香辛料なんですね。

本わさび

栽培するのには豊富な水量が必要なので、山間地の湧き水や清流の流れる渓流か、湿気の多い涼しい土地の畑という、日本でも限られた場所でしか栽培できないんです。希少な植物なんですね。

「金印」では本わさびの他に、「西洋わさび」も栽培しています。

西洋わさび

「西洋わさび」は、ヨーロッパ原産の植物で、ホースラディッシュという呼び名でご存じの方もいらっしゃるでしょうね。
紀元前からギリシャやローマ帝国で香辛料として使われていて、13世紀頃からヨーロッパでソースとして魚や肉料理に使われるようになったそうです。
日本の主な生産地は、原産地のヨーロッパの気候に似ている北海道。
本わさびと比べて辛味が強いので「粉わさび」や「おろしわさび」などの加工わさび製品の原料になっています。

玉木さんは、この西洋わさびの研究をしていました。
そしてとんでもない成果を出したんです。

西洋わさびは種子を作りにくい性質なんです。そのため、品種改良の研究はされてきませんでした。
ところが玉木さんは、なんと、作れないはずの種を作り出して、おまけに交配させるという、これまで誰も成し遂げられなかったことに成功したんです。偉業達成です!

西洋わさびの花
もちろん簡単にではありません。種を作り出すまでには10年もの歳月がかかったそうです。玉木さん、がんばりました!

このことを明治大学農学部の教授に確認したところ「学会で発表すれば、とても注目を浴びることになるだろう」と言われます。
ところが、騒がれるのは嫌だなと思った玉木さんは、しばらく内緒にしていたそうです。奥ゆかしいですね。

せっかくなので、わさびの歴史をちょっとだけ

わさびの歴史は古く、その記録は飛鳥時代に遡ります。
奈良県明日香村の遺構から出土した木簡に、わさびや薬草とみられる植物名や、庭園を管理する役所名などが書かれていたそうです。
そこには「委佐俾三升(わさびさんしょう)」と書かれていて、日本で初めて「わさび」と記された記録だそうです。当時は薬だったんですね。
わさびには「解毒作用」「抗酸化作用」「血流改善」などの効果があることを昔の人たちはちゃんと知っていたんです。

わさびが栽培されるようになったのは、江戸時代初期。
江戸幕府の初代将軍・徳川家康は美食家だったそうで、彼がその風味を大変気に入ったのと、わさびの葉が徳川家の葵の家紋に似ていることから門外不出にしたと言われています。
そのころ安倍川上流でわさび栽培が始められたそうです。

わさびがお寿司の薬味として使われだしたのは19世紀にはいってから。
江戸時代の文化・文政年間(1804-1830)のころだと言われています。
わさびを付けた握り寿司が考案されて、江戸の町で大ブームになりました。
当時は冷蔵の設備がない時代ですから、人々は、経験からわさびが食材の生臭みや細菌の増殖を抑えて食中毒の予防することを知って、活用したんでしょう。

大正時代になると、製茶の技術からヒントを得て、本わさびを乾燥、粉末にした粉わさびが誕生します。その後西洋わさびを原料とした粉わさびが開発され、昭和46年に練りわさび小袋タイプ、そして昭和48年に現在主流になっている本わさびを使った生おろしわさびへと発展していきました。

わさびが世界に広がったきっかけは、意外なことに、1970年代末に日本人の平均寿命が主要国の中でトップになったことなんです。

つまり、そのために日本食に対する関心が高まったんですね。
その流れで、80年代に入るとアメリカの主要都市で「寿司ブーム」が起こったんです。

ところが、寿司レストランは急速に増えたものの、食材供給が追い付かなくなって、粗悪な材料を使った、粗雑な寿司が提供されるようになってしまいます。

このような状況に注目した「金印」は、「優良なわさびを全米に供給しよう!」と、アメリカに進出。
わさびが「日本原産で固有の香辛料であること」や「ビタミンCをはじめとする健康的な成分を多量に含むヘルシー食材であること」などの特性や、醤油に溶かずネタにつけて食する正統的な食べ方を広めました。 そしてついには「生おろしわさび」を輸入して、それまでの「緑色で辛ければ何でもいい」というアメリカの常識を覆したのでした。

今日もより良いわさび作りを目指して玉木さんは研究を続けています。
網走は寒そうだけどこれからもがんばって欲しいです。

金印アグリビジネス研究所
住所:北海道網走市呼人276-1
TEL:0152-48-3183
金印HP:http://www.kinjirushi.co.jp/ 

金印のオンラインショップはこちら!
https://shop.kinjirushi.co.jp/

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