ゴジラ~新作映画「ゴジラ キングオブモンスターズ」が出た機会に日本が生んだ世界的スター元祖ゴジラのおさらいをしよう!3

ゴジラ~日本が生んだ世界的スター

もうすぐ新作映画「ゴジラ~キングオブモンスターズ」のブルーレイ&DVDが発売されます。
これはハリウッド版ゴジラの第二弾ですね。
監督のマイケル・ドハティさんは、物心ついた頃からの怪獣映画ファンで、『ゴジラ』シリーズはすべて観ているという、ハリウッドきっての“ゴジラオタク”。そんな監督が作ったんですから期待値は高まりますね。

というわけで、ここで改めてわれらが日本版「元祖・ゴジラ」を復習してみましょう。
今回は、昭和ゴジラシリーズ第3作「 キングコング対ゴジラ 」を取り上げます。

昭和ゴジラシリーズ第3作「 キングコング対ゴジラ 」

「キングコング対ゴジラ」基本データ

1962年(昭和37年 動員:1255万人 配収:4.3億円

脚本:関沢新一 監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二 音楽:伊福部昭

ゲスト怪獣:キングコング 大ダコ 大トカゲ

出演者:高島忠夫 佐原健二 藤木悠 浜美枝 若林映子 有島一郎

前作「ゴジラの逆襲」から7年も空いたのは、その間に東宝はたくさんの特撮映画をつくっていたからでしょう。

「空の大怪獣ラドン」(1956年) 「大怪獣バラン」(1958年) 「宇宙大戦争」(1959年) 「モスラ」(1961年) 「妖星ゴラス」(1962年) と、かなり精力的に制作しています。

ラドンとモスラという、ゴジラと併せて東宝3大怪獣となる怪獣もこの時期に作られました。

そして、満を持して”世界的な百獣の王”キングコングの登場です。

「ゴジラ」のお手本にもなった、元祖ハリウッド版「キングコング」

「キングコング」は1933年に作られたアメリカ映画。
これはミニチュアの人形を使って一コマずつ撮影していく人形アニメ(ストップモーションアニメ)でした。

公開当時、円谷英二が独自にフィルムを取り寄せ、一コマずつ分析した話は「ゴジラ」の項でもご紹介しましたね。
実際見てみると、確かによくできています。

着ぐるみではないのでキングコングも恐竜たちも造型がリアル。 そもそも、キングコングはともかく、明らかに人間と体型が違うティラノザウルスやステゴザウルスで、人間が入れるような着ぐるみを作ることなんて、ハリウッドの制作者は思いつきもしかなかったんでしょうね。

コマ撮りという手法も現代のCGに繋がります。
スクリーンに背景の映像を映してその前で演技をするのを撮影する、という、スクリーンプレイ合成も見事です。人形アニメと実写との動きがぴったり合っている。

円谷英二は、この優れた特撮技術に対し、メイド・イン・ジャパンの着ぐるみ&ミニチュア特撮で、果敢に戦いを挑みます。

東宝は、キングコングの権利者であるRKO(アメリカの映画会社。パラマウントやワーナー、20世紀フォックスと並ぶ大会社。今はもうありません)との契約に当たり、キングコングの名前の使用料5年間分として8000万円を払いました。
これは当時の映画3本分の制作費に匹敵する額ですが、1000万人を超える観客動員となって、東宝もこの莫大な支払いの見返りを充分に受けたようです。

「キングコング対ゴジラ」はコメディタッチ

ストーリーは、自社がスポンサーとなっている番組の視聴率低迷に悩んだ宣伝部長(有島一郎)が、南太平洋のファロ島にいる「巨大な魔神が目覚めた」との噂を聞きつけ、これを連れてこいとテレビ局のディレクター(高島忠夫)に命じることから始まります。

この有島一郎のテンションが高い。高島忠夫とその相棒役の藤木悠が有島のテンションに引っ張られて、この3人の登場部分はすっかりコメディ。

ヒロインの浜美枝(高島忠夫の妹役)も元気いっぱいでかわいい。キングコングに攫われてキャーとか言ってても元気が溢れています。
彼女はこの作品でハリウッドのプロデューサーの目に留まり、世界的ヒット映画「007」シリーズ「007は二度死ぬ」のボンドガールに選ばれてしまうわけですから、人生何があるかわかりませんね。

そして、ゴジラの登場です。 前作「ゴジラの逆襲」で、北極海で氷詰めにされてうやむやにしてしまったツケが人類に回ってきます。

なんと、海水温上昇と近くを原子力潜水艦(ゴジラにとってはエサ)が通りかかったことで、運悪く(東宝にとっては運のいいことに)ゴジラが目を覚ましてしまうんですね。

これで役者がそろいました。あとは喧嘩をさせるだけです。

途中、キングコングが丸の内線の車両からわざわざ浜美枝を選んで掴んで国会議事堂に登るという、原作映画へのオマージュ的な大特撮シーンなどの見せ場を作りつつ、二人がガチンコするためのお膳立てがなされていきます。

で、結末は、激闘の末ゴジラは海に沈み、コングは悠々と故郷の島へ帰っていきます。
ゴジラの消息は不明。 つまり簡単に再登場できる、ということですね。

ゴジラ映画としては初のカラー作品

カラー作品になったこともあり、前2作とは大きく違って明るく楽しい「ゴジラ」になっています。

エンタテインメント性が高くなったと言えば言い方はいいんでしょうが、キングコングの住む島の原住民たちはどう見ても茶色いドーランを塗った日本人たちだし、着ぐるみも”着ぐるみ感”がより出てしまってリアリティが後退してしまいました。 カラーというのも善し悪しですね。

ゴジラとキングコングの戦いは、もうプロレスです。
当時プロレスが流行っていたので、その時流を反映したのでしょう。当時のお客さんにとっては新鮮で楽しめるものになっているのだと思います。
が、コメディタッチのストーリーと相まって、怪獣映画としての怖さが全く無くなってしまいました。

2大スターの競演とエンタテインメント性を高めたことは、幅広い客層にアピールし、興行的には「ゴジラ」を超える大ヒットとなりました。
このことが、決定的にその後のゴジラシリーズの路線を決めていくことになります。 その意味で、この「キングコング対ゴジラ」は指標となる作品となりました。

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