ドラマ「べしゃり暮らし」感想は?視聴率は?これからどうなる?

『べしゃり暮らし』は、 2019年7月27日(土)よりテレビ朝日系列で放送されているドラマ。 森田まさのりの同名の人気コミックをドラマ化したもの。演出を「劇団ひとり」が担当することでも話題になりました。 ここではあらすじや視聴率、感想などをご紹介します。

「べしゃり暮らし」ってどんな話?

『ろくでなしBLUES』『ROOKIES』と、圧倒的な人気を誇る伝説の青春漫画を数々生み出してきた森田まさのり。単行本累計はなんと7,500万部以上を記録する巨匠です。

『べしゃり暮らし』は、彼の最も新しい作品で、2005年から2006年までは『週刊少年ジャンプ』、2007年からは『週刊ヤングジャンプ』で連載されました。

題材は“お笑い”。 人を笑わせることが大好きな“学園の爆笑王”こと上妻圭右が、高校生にしてプロの漫才コンビを組んでいた元芸人の辻本潤と、運命の出会いを果たすところから物語は始まります。

二人は、対立しながらもやがて漫才コンビを組むことに。 若き漫才コンビの波乱万丈な成長物語を追いながら、彼らの周りで起こる様々な人間模様を描き出す、熱き男たちの青春群像劇です。

ドラマ「べしゃり暮らし」キャストは?

主人公・上妻圭右…間宮祥太朗 2008年、ドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』(日本テレビ)で俳優デビュー。映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』や『帝一の國』では強烈なキャラクターを演じ、その演技力が注目されている若手実力派。

圭右の相方・辻本潤…渡辺大知 ロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカル。 2009年、演技未経験にもかかわらず2,000人の中からオーディションで映画『色即ぜねれいしょん』の主演を勝ち取り俳優デビュー。同作品で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。 以後、映画『勝手にふるえてろ』、ドラマ『恋のツキ』(テレビ東京)、ドラマ『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』(NHK)など様々な作品に出演する個性派俳優。

その他、 矢本悠馬、小芝風花、堀田真由ら若手に加え、駿河太郎、 尾上寛之、徳永えり、寺島進 といったベテラン俳優が脇を固めています。

ドラマ「べしゃり暮らし」第1話あらすじ

上妻圭右(間宮祥太朗)は、幼い頃から人を笑わせることが大好きで、笑いのためなら命がけで何でもやる“学園の爆笑王”。

ある日、関西出身の辻本潤(渡辺大知)が転校してくる。
辻本の関西弁を聞いた圭右は、彼を昼の校内放送に無理矢理ひきずり込む。すると、辻本と圭右との絶妙なかけ合いで学校中が大爆笑に。
圭右は、辻本がなんと元高校生芸人で、漫才大会で優勝経験もあると知る。ライバル心に燃えた圭右は“打倒辻本”を掲げ、校内漫才コンテストで勝負をつけようと辻本に迫る。

ところが、笑いを取るために全精力を傾けるバカ(圭右)に興味を抱いた辻本は、圭右にコンビを組まないかともちかける。

そんな圭右の父・上妻潔(寺島進)は、一徹者の蕎麦打ち職人。
かつて面倒を見ていた芸人が店の悪口をネタにしたおかげで店が傾き、それが原因で妻(圭右の母)が亡くなっているので、大のお笑い嫌い。

圭右が漫才コンテストに出ることに潔が反対したことで、大喧嘩になってしまい、蕎麦屋を手伝う姉・しのぶ(徳永えり)も困り果てる。

結局、圭右と辻本はコンビを組み、校内漫才コンテストに出ることに。 コンビ名は『きそばAT(オートマティック)』。

万全の態勢で本番に臨む二人。 ところが、二人の前に登場したコンビのネタが、なんと自分たちが用意していたネタと全く同じ。いつの間にかネタを盗まれていたのだ。
窮地に追い込まれた二人。
そこで圭右はアドリブでいくことを決心する。 焦る辻本をつれて舞台に上がる圭右。
結果的に舞台は大成功。コンテストが終わって、辻本は圭右に、本気で芸人を目指さないかと話す。

そんな時、辻本に一本の電話が。 かつて一緒に新人グランプリを獲った元相方・鳥谷静代(小芝風花)だった…。 (第1話終わり)

ドラマ「べしゃり暮らし」感想・解説

原作を知っている人でも好意的に受け止めている人が多いようですね。 間宮さんや渡辺さんが原作のイメージ通りだという声も多いです。

確かに間宮さんの濃い顔は漫画向きですし、ハチャメチャなキャラクターを目いっぱい演じている姿はとても好感が持てます。 渡辺さんの演技もとてもナチュラルで、彼の俳優としての評価が高いのが分かります。 劇団ひとりの演出はとても見易く、素直にストーリーに入っていけます。凝りすぎた映像やカメラワークといった、最近有りがちな過剰な演出が無いのが良いですね。まあ、深夜帯なので予算が無くて、凝りたくても凝れないという事情もあるのかもしれませんが。

ただ、残念ながら、”漫画を実写化する”時の根本的な難しさが出ているなあと感じてしまいました。

そもそも漫画になるくらいだから、主人公のキャラクターはリアルをすっ飛ばしています。 言い方を変えれば、程度の差こそあれ、こんな奴いねーよ!というくらいのキャラクターだからこそ、漫画の主人公たり得るのです。

特に、少年漫画の主人公は特殊な能力を持っています。
スポーツ漫画を例にとれば分かるでしょう。「SLAM DUNK」の桜木花道の並外れた身体能力、「弱虫ペダル」の小野田坂道の恐るべき脚力、「黒子のバスケ」に至っては登場人物は特殊能力の持ち主ばかり。その能力で彼らはそれぞれの世界で大活躍します。
これら全て漫画だから表現できることであり、だからこそ読者は彼らに惹かれ、そのストーリーについていくのです。

でも、そういうキャラクターを生身の人間が演じる、ということは実はとても難しいことなんです。 だって漫画だからこそできる表現なんだから。

このドラマの主人公・上妻圭右の能力は、人を笑わせる力です。
でも実際にそれがどれだけ大変なことであるかは、売れたくて日夜必死で努力している芸人さんが何千人もいる現状を見れば解りますよね。

ましてやアドリブで笑わせるなんてとんでもない技が必要です。 テレビのバラエティ番組で、話を振られた際アドリブで答えているように見えても、実はそうではないんです。
大抵の場合台本があって、芸人さんにはあらかじめ振られる話は伝わっています。それに対し彼らは必死で考えて答えを用意してきているんです。
そして本番では頭の中はフル回転させて状況に合わせて間や言い回しを必死で考えながら、自然に見えるようにしゃべっているんです。

圭右にはその“笑わせる力”が先天的にある、という前提なんですよね。 だったらそれを見せてもらわないと。

だから校内漫才コンテストのシーン、期待したんですよ。 コンビでアドリブで笑わせる?ものすごい高いハードルだぞ。どうやって見せてくれる?

ところがそのシーンは、二人が舞台袖から飛び出して行ってセンターに立ち、以降はカット。
えっ?ここが肝じゃないの?
結局圭右の神業は見せてもらえないままで終わってしまいます。
原作はどう描かれているかわかりませんが、ここは見せ場でしょう?
スポーツドラマで言えば試合のシーンですよ。
もちろんドラマだから作り物だけど、それでもハラハラワクワクさせてくれるべきところです。だって主人公が持てる能力を最大限発揮して大活躍するシーンなんですから。
そして、それを見て我々視聴者は圭右の並外れた能力に感動し、これからも圭右の物語についていこう、と思うわけですから。 それをやらないなんて…

確かに、アドリブ漫才をドラマで再現するなんて、かなりの難易度です。いや、よほどの脚本、よほどの演技力、演出力がなければ不可能と言っても過言ではありません。 このチームにそれが無いとは言いませんが、難しいことは確かです。

でもだからこそ、チャレンジして欲しかった。仮に、原作にも本番シーンが無かったとしても、です。頑張って欲しかった。

このドラマは、漫画でありながら普通の人間ドラマでもあります。
「今日から俺は!」や「銀魂」のドラマ版のように、漫画を忠実に再現する方式ではなく、人間が人間らしくリアリティを持って描かれなければならないお話です。
その意味で、圭右に乗りづらいのは厳しいですね。制作側もそこは認識しているのか、ドラマ全体の構成を、圭右のお母さんのお話や、先輩芸人たちのリアリティのあるお話で群像劇に仕立てています。

本当は、圭右と辻本がプロの芸人として羽ばたくサクセスストーリーの部分がもっと濃ければ、もっとお客さん(視聴者)が集まったのではないかな、と思います。

「べしゃり暮らし」その後の展開、視聴率

その後圭右は、学校という狭い世界で、その上笑ってやろうと準備をしている客の前だからこそ通用する笑いでしかなかったことを思い知らされます。

また、「デジタルきんぎょ」という絶好調のお笑い芸人コンビと出会い、その生き様に触れ、圭右は大きく成長していくます。

と、紹介記事風に書いてしまえば簡単ですけど、実際は大変です。

「デジタルきんぎょ」は、金本浩史(駿河太郎)と藤川則夫(尾上寛之)のコンビで、人気、実力ともに絶対の力を持つベテラン。 こちらの二人は役者として実力派のベテランなので、漫才シーンもそれなりに説得力があり、彼らのドラマ部分は安心して見ていられます。
特に金本役の駿河太郎は素晴らしい。お父さんの笑福亭鶴瓶師匠から芝居のDNAをしっかり受け継いでいますね。

そんなベテランの金本が、圭右を”見どころがある”と思ってくれるんですが、前述のように圭右の能力の造形があいまいなものだから、いまいちピンとこないんですね。そうなるとせっかくの「デジタルきんぎょ」のリアリティまで損ねてしまいます。もったいないです。

その後、漫才日本一を決めるNMCの決勝に進出したところでとんでもないことが起きてしまいます。それを目撃した圭右は、その後どう成長して行くのでしょうか? いよいよクライマックス。期待したいです。

第1話(7月27日放送):2.6%
第2話(8月3日放送) :2.0%
第3話(8月10日放送):2.2%
第4話(8月17日放送):2.1%
第5話(8月24日放送):2.3%
第6話(8月31日放送):2.5%
第7話(9月7日放送) :2.0%
第8話(9月14日放送):-%

スポンサーリンク
336×280
336×280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
336×280